診療支援部
概要
鹿児島市医師会病院診療支援部は、平成17年4月にコメディカル部門を集約したひとつの部門として創設されました。技術部は基本的に次に掲げる医療技術職で構成されています。
- 診療放射線技師
- 臨床検査技師
- 臨床工学士
- 管理栄養士、栄養士、調理師
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
- 消化器内視鏡技師
- その他
業務を行う各室
総勢60人を超える組織です。具体的目標は医療技術職員の資質の向上を計画的に図り、技術部各室に効率的かつ適切な人員配置を行い、もっとも効果的な病院運営と患者への医療サービスの向上を図ることにあります。
診療支援部基本理念
職業倫理の実践に全精力を傾注し、最新の臨床技術を患者様に提供する。
教育理念
最善の医療情報を患者様に提供することを目標に継続教育を実践し、その成果を目で見える形にする。
基本方針
- 患者さんに優しい医療を提供する
- 質の高い診療情報を提供する。
- 他部門との意思疎通を図る。
- 働きやすい職場環境を作る。
安全管理指針
患者と職員の安全と安全確保のため、事故の予防と紛争・訴訟の予防をシステムで考える。
- 患者・家族が安心して最善の医療を受けられる環境を提供する。
- 安全に検査を行うために適切な機器管理を行う。
- 事故による損失を最小にし個人や組織を守る。
- 事故防止について安全対策を講じ、業務改善やシステムの見直しを図る。
- チーム医療の機能強化と推進を図る。
- 必要な情報提供とスタッフ教育を実施する。
診療放射線室
診療放射線室では患者様の立場に立って安全で質の高い検査を受けていただくため、最新の知識・技術の習得はもちろんのこと、機器の性能維持や放射線の安全管理に努めています。各検査でご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。
ご案内
診療放射線室の理念
患者様の立場に立ち高度な医療を安全にご提供し、検査を迅速かつ正確に行っております。
2023年度年間目標
他部署との連携を図り安全安心な医療提供に努める
スタッフ
- 診療放射線技師 9名(男性7名、女性2名)
- 検査受付 2名
他に取得している認定資格と人数
使用機器
- 一般胸腹部撮影装置 2台
- X線透視装置(FPD2) 3台
- 乳腺撮影装置
- 80列X線マルチスライスCT 2台
- 血管撮影装置(循環器)
- RI(ガンマカメラ)装置
- MRI(1.5テスラ)装置
- 回診用ポータブル装置 3台
- 術中外科イメージ装置
放射線検査室の案内図(2階)
- 【1〜3番】透視・造影検査室
- 【乳房室】乳房撮影室
- 【6番】心臓カテーテル検査室
- 【7番】胸腹部骨撮影室
- 【8・10番】CT検査室
- 【9番】核医学(RI)検査室
- 【11番】MRI検査室
- 【受付】CT・RI・MRI受付/放射線科受付
胸腹部骨一般撮影(FPD)
X線を用いて、頭部、胸部、腹部、四肢など様々な場所を撮影できます。X線が人体を透過して影をつくる様子を画像にします。この画像が画像診断の基本的な部分となります。最近では、フラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:FPD)を用いて、体を透過したX線(エックス線)をデジタル信号に素早く変換し、レントゲン画像を得る装置により、従来の装置(CRシステム)と比べて、より高精細な画像を得ることができるようになりました。
FPDの特徴
● 被ばくの低減が可能!
FPDは従来の装置と比べX線の感度が高いため、より少ないX線量での検査が可能になりました。
● 撮影時間の短縮 ⇒ 待ち時間の短縮!
従来の装置では、撮影後に画像が表示されるまで、30秒程度かかっていました。FPDでは数秒で画像が表示され確認することができます。これにより、検査効率が向上し、患者さんの検査待ち時間短縮が可能になりました。
● 高精細な画像でより正確な診断!
FPDの性能と最新の画像処理技術により、高画質でノイズの少ない鮮明な画像を得ることができます。これにより、さらに正確な診断に必要な画像を提供することができるようになりました。
● ポータブル撮影の画像表示がかなり速い!
導入前は、病棟で撮影したCRデータを2Fまで持ち帰り、CR読み取り装置で読み込ませ、サーバーへ転送し画像表示させていました。現在は、FPDの情報をポータブル専用ノートパソコンが受け取り、病棟で院内ネットワークを使いサーバーへ転送しています。病棟から2Fまでの移動時間をカットできるため、画像表示までの時間が従来よりかなり速くなりました。
更衣について
撮影部位によっては、ボタン・ネックレスなど写真に写り、診断に支障をきたすおそれ(重なってしまい病変がわからない、病変とまぎらわしいなど)のある場合、服を脱いでもらったり、湿布、エレキバン等をはずしてもらったりいたします。
乳房撮影(マンモグラフィ)
マンモグラフィとは乳がんを診断する方法の一つで、乳房専用のレントゲン撮影です。乳房はやわらかい組織でできているため、専用の装置を用います。触ってもわからないような早期の小さながんはもちろん、しこりを作らない乳がんを白い影や、非常に細かい石灰砂の影として見つけることができます。
撮影は、乳房を挟みながら圧迫して、上下方向から1枚、斜位方向から1枚ずつ計4枚撮影しますので、検査時間は約10分かかります。挟むことによる痛みには個人差がありますので、できる範囲で行います。これは乳房の内部をよりみやすくする為となるべく被曝線量を減らす為など理由があってのことなので、ご協力をお願いします。
核医学(RI)検査
この検査は放射性同位元素を含んでいる放射性医薬品を使用する検査です。放射性同位元素はラジオアイソトープともいいます。ラジオアイソトープとは自ら放射線を出す物質で、その放射線の量は時間と共に減っていきます。病院によってラジオアイソトープ(Radio Isotope)検査と呼んだり、その頭文字をとってRI検査と呼ばれています。
検査の内容
X(エックス)線撮影ではX線が身体を透過してフィルムに写し出されます。RI検査ではγ(ガンマ)線という放射線を放出する放射性同位元素を含んでいる薬を投与します。特定の臓器や病変を見つけるために目的とする検査ごとに検査薬が用意されています。それが臓器や病変部に取り込まれた薬から放出される微量のガンマ線を体外の専用カメラ(ガンマカメラ)で検出し、これらのデータをコンピュータで処理してフィルムに写し出されます。
検査の流れ
- 撮影の前に検査薬を投与します。
検査によっては前処置が必要な場合もあります。 - 検査薬が目的部位に達するまでの時間が異なるため、検査開始時間までに待ち時間が生じる場合があります。
検査によっては薬の投与直後・数分後・数時間後・または数日後に撮影します。 - 検査機器のベッドで仰向けになります。
ほとんどの検査はベッドの上で寝ているだけで済み、とても楽な検査です。検査によって数分で終わるものや、数十分かかるものがあります。また時間ごとに数回撮影する検査もあります。
次のような方は予めお知らせください
- 妊娠中、または妊娠してる可能性がある女性
- 授乳中の女性(数日間赤ちゃんに母乳を与えるのを避けたほうがよい場合があります)
- 乳幼児がいる女性(赤ちゃんを抱くのも半日程度は避けたほうがよい場合もあります)
最後に
- 薬による副作用の心配はありません。
- 薬から出る放射線(ガンマ)線は極微量でその放射線は時間と共に少なくなります。それらは尿や便として体外に排出されますので、身体への影響についても心配ありません。
わからないことや不安なことがありましたら担当の医師、技師、看護師におたずねください。
消化管透視撮影(DR)
透視装置で撮影された画像データはすべてデジタル保管され、ネットワークPCで見ることができます。また過去の画像と比べてみたり、白黒反転やフィルターをかけたりして読影医師の好みに応じ画像表示することができます。平成22年3月にCアーム搭載オールデジタルX線テレビ(フラットパネル)に更新しました。
心臓カテーテル検査
人間の生命活動を血液の循環を通じて支える心臓、そして血管。それだけに、心臓病は深刻な問題になります。現在では動脈硬化疾患である心疾患と脳血管障害が日本の死因の第2位、3位を占めています。当院では、増加し続ける循環器疾患の治療部門において、医師、看護師、臨床検査技師、放射線技師が24時間体制で待機し、昼夜を問わず、対応しています。
心臓カテーテル検査は、大腿動脈もしくは肘動脈より血管造影用カテーテルを挿入し、冠動脈を撮影する事を目的としています。造影の結果、狭窄部位が発見されれば、冠動脈血管内エコー(IVUS)検査により、その部位の治療の必要性を判断し、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、冠動脈内ステント留置術 、至適インターベンション法の選択を行っています。バイパス治療(冠動脈血行再建術)においては鹿児島大学に依頼しています。
また、画像診断、カテーテル治療の質の向上さらには、被曝量低減を実現するため、2004年6月より、世界初の直接変換型フラットパネルシステム「DEGITEX Safire」を導入しました。鮮明な冠動脈の視認性を確保し、より正確な治療ができるよう万全の体制を整えています。
世界初の直接変換型フラットパネルシステム「DEGITEX Safire」のすぐれた性能
- 直接変換方式フラットパネルディテクター(FPD)により微細な血管まで描出する超高画質を実現
- フラットパネルディテクター(FPD)の高感度特性と低線量システムにより被曝線量をトータルで低減
- RSMフィルタにより低線量領域での微細血管等の視認性がさらに向上
CT検査
CTは、Computed Tomographyの略称で、日本語でコンピュタ-断層撮影です。一般のX線検査と同じX線を人体に照射して行います。そこから体内を透過したX線量をコンピューターでデータ処理することにより人体を輪切り表示にした画像が得られます。そのため一般のX線検査ではわからないような微細な体内の情報を得ることができます。
患者さんは写真にあるベットに寝ていただいて、その周りをX線管球がグルグルとまわる仕組みになっています。そしてベットを動かすことにより、目的の部位だけを検査することができます。
検査時間は検査の部位や検査内容によっても異なりますが、およそ15分~20分程度で終ります。CT検査には【単純CT検査】と【造影CT検査】という大きく分けて2種類の検査法があります。
- 単純CT検査:造影剤という薬を使わないで撮影するCT検査のことを指します。
- 造影CT検査:造影剤という薬を静脈に注射して撮影する検査を指します。
当病院には現在X線CT装置が2台あり、共に高速ラセンCTを搭載しています。
3D画像構築について
診療放射線技師の業務の一つとして、診療支援、手術支援となる3D画像構築があります。手術室で画像を表示し、手術のイメージを掴みやすくします。より安全に、より迅速に手術が行えると考えます。また、心臓カテーテル前の治療シミュレーションにも役立ちます。
3D画像処理ワークステーションでは、CTのスライス画像を使用して、心臓、肝臓、骨などの3D画像を作成します。まず、CTにて、通常の造影CT検査を行い、その画像を0.5~1mm間隔の薄いスライス厚(元画像)で再構成します。元画像は、約500~2000枚程度になります。この元画像から、目的の臓器の3D画像を画像処理ワークステーションにて作成します。
3D画像の作成は、心臓の3D画像・解析処理で、約1時間~1時間半、体幹部の3D画像構築で、約2時間、肝臓の3D画像構築・手術シミュレーション処理で、約5時間程度かかります。肝臓の場合、切除範囲を決定するため、外科医の指示を仰ぎ、慎重かつ丁寧な作業により解析を行うため、完成までかなりの時間がかかります。我慢と忍耐の作業となります。また、肝臓、心臓に関しては、他のモダリティ(CTとRI、MRIとRI)の画像を使用し、フュージョン(重ね合わせ)画像を作成する事ができます。CT、MRIの解剖学的位置にRIの機能画像を重ね合わせる事で、手術における切除範囲、治療部位などを評価・診断しやすくします。
このように、3D画像処理ワークステーションを使用する事で、術者により詳しい解剖と画像情報を提供し、治療・手術の支援が出来るよう日々研鑽していきたいと考えます。
MRI検査
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)検査はレントゲン検査でわかりづらい神経や靭帯、臓器、組織等を明瞭に観察可能で、血管撮影も造影剤を使わずに描出可能です。さらに同じ場所を色々な方法であらゆる角度から撮影するため情報量が多く、精密検査に適していますが、検査時間の延長や撮影範囲の制限が出ることがあります。磁石と電波を利用して撮影するため放射線被ばくはありませんが、体への影響は全くないとは言えていないのが実状です。
当院装置のおもな特徴
2003年(平成15年)7月MRI装置を導入して以来、進歩する医療に対応できるようグレードアップや装置更新を実施し、現在は2019年1月より新規稼働開始したオランダのフィリップス社製インジニア1.5テスラ装置を使用しております。この装置の特徴はフルデジタルにより、高速化、高画質化を実現しあらゆる部位に対しての撮影を可能としていることです。正確で良質な検査を安心して提供できるようソフト、ハード共に充実を図り、検査を受けられる方の立場に立って最適な検査を受けて頂けるよう努力しております。
検査の実際
待ち時間低減や食事制限をお願いることがあるため予約制となっております。頭部、腹部、骨盤部、脊椎、四肢、血管等全身のあらゆる部位の検査が可能で、目的や検査部位に合わせて最良の撮影法にて検査を実施しております。検査時間は撮影部位や範囲により異なりますが、30~50分程度です。またより詳細な情報を得るために、腎臓の状態を確認後、同意の上で造影剤を使用させていただくこともあります。
検査を受けられない方
強力な磁石を使うため、体内に例えば以下の様な磁性体のある方は検査できません。
- ペースメーカー、人工内耳等の電子機器
- MRI検査非対応のクリップやステント等
- 広範囲な刺青やタトゥー(染料として鉄粉を使用していることがあるため)
極度の閉所恐怖症の方は検査を躊躇されることもありますが、検査時間短縮や音の軽減、さらに音楽、送風、照明等リラックスして検査を受けられるようスタッフも配慮致します。
検査で受ける放射線・自然の放射線
放射線が発見され、医療に利用されるようになる前のむかしから、私達は宇宙や大地・食物・空気中など自然界から色々なかたたちで自然放射線(1年間に平均2.4ミリシーベルト)を受けています。その一例と、国際原子力機関(IAEA)ガイダンスレベル、日本放射線技師会医療被曝低減目標値、当院での胸・腹の撮影での線量の値を示します。ガイダンスレベルとは、1回照射あたりの被曝線量がこの値を超えないようにしようという目安であり、この値を越えたからといって、放射線の影響がすぐにでるものではありません。
自然放射線と比較した場合、1回あたりのX線胸部検査の量は、いかにすくないかがおわかいただけると思います。当院での胸部X線検査1回での表面線量は、NDD表面線量簡易計算式を用いると約0.12ミリグレイとなっており医療被曝低減目標値と比較してもじゅうぶん低い値となっております。
入射表面線量(ミリグレイ)
胸部正面 | 腹部正面 | |
---|---|---|
当院での 表面線量 |
0.12 | 0.8 |
日放技師会 ガイドライン |
0.3 | 3.0 |
IAEAガイダンスレベル | 0.4 | 10.0 |
このように放射線は医療の中で有効に活用されておりますが、取り扱い方によっては放射線障害という危険な面や遺伝にも大きな影響力をもっており、安全管理について法律で厳しく規制されています。私たち診療放射線技師は、常に最新の知識が駆使できるよう生涯研修に努め、放射線と医用画像のプロフェッショナルとして責任を持ち、目的に合ったより良い医療画像の提供を心がけています。
また、医療用放射線被ばくの減少・最適化にも努力しています。検査や放射線に関するご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
生理機能検査室
生理機能検査室は、身体の機能に関する検査を行う医療施設です。検査技師が専用の機器を用いて、頭部、心臓、肺、腹部、甲状腺、乳房、血管(頸部・四肢動静脈)、神経などの身体機能を評価します。検査業務は、医師の指示に基づいて検査が行われます。主な検査としては、超音波検査で心臓や腹部、甲状腺、乳房、血管の検査を行い、呼吸機能検査で肺・気管の機能検査を行い、筋電図検査で神経・筋肉の検査を行います。又、人間ドック検査も行っています。これらの検査は、病気の早期発見や治療効果の評価、生活習慣の改善に役立ちます。
生理機能検査室紹介
有資格
- 日本超音波医学会認定超音波検査士
循環器領域:5名、消化器領域:4名、体表領域:2名、血管領域:3名
所属学会・団体
- 日本臨床衛生検査技師会
- 日本超音波医学会
- 日本超音波検査学会
- 日本心エコー図学会
心電図検査
1. 安静心電図検査
安静時心電図検査は、心臓の電気的活動を評価するために行われる検査であり、以下のような目的があります。
検査目的
- 心臓のリズムや心拍数を測定し、不整脈などの異常を検出すること。
- 冠動脈疾患や心筋症など心臓に病気がある場合に、その病気の程度や進行状況を評価すること。
- 健康診断などでの定期的な検査として、早期発見・早期治療につながる心臓の異常を発見すること。
- 安静時心電図検査は、非侵襲的な検査であり心臓の健康状態を評価するための初期のスクリーニング検査として広く用いられています。
検査内容
両手足首と胸部に電極を付けます。電極は、心臓からの電気信号を読み取るために使用されます。リラックスした状態で検査を行い、心電図計により心臓の電気信号が記録されます。検査時間は通常、数分程度で患者様には検査中、動かないように指示されます。心電図波形の特徴や心拍数、不整脈などが評価され、異常がある場合は医師によって適切な対応が行われます。
2. マスター運動負荷試験
検査目的
マスター運動負荷試験は、安静時心電図検査では見逃される心臓疾患を発見するための検査であり、循環器系の状態を正確に評価するために重要な検査となっています。負荷試験により、心拍数、心電図波形を評価します。冠動脈疾患や不整脈などの心臓疾患を発見することができます。患者が負荷による疲労やストレスを感じた場合には、負荷を中止することができます。
検査内容
- 安静時の心電図を測定します。
- 踏み台昇降運動を開始します。負荷レベルは、患者様の年齢・体重・性別によって決まります。
- 負荷中、患者様の症状や体調の変化を監視します。
- 負荷が終了したら踏み台昇降運動を停止し、患者様の状態を観察しながら心電図の測定を行い、回復期の状態を評価します。
- 検査結果は、心電図波形や心拍数、症状の有無などに基づいて評価されます。検査時間は10分程度。
3. 自律神経機能検査
検査目的
自律神経機能検査は、交感神経と副交感神経のバランスを評価し、自律神経系の異常を検出することです。自律神経は、心拍数や血圧、消化器官や呼吸器官の運動など、体内の自動的な調節機能を担っています。この自律神経系が正常に機能していることは、健康維持に不可欠です。自律神経機能検査は、自律神経系の異常が症状や疾患の原因になっている場合、早期発見や適切な治療のために重要な役割を果たします。また、生活習慣病やストレスによる自律神経の乱れを知るためにも行われます。
検査内容
心拍の変動性を評価し、交感神経と副交感神経のバランスを評価します。心拍変動は、自立神経系の活動性やストレスレベルを反映します。
超音波検査
検査目的
超音波検査は、医療現場で広く使用され、非侵襲的な検査です。以下に、超音波検査の主な目的をいくつか紹介します。
- 心臓の検査は、構造や機能を詳しく調べる検査です。心臓の弁の動きや心筋の厚みなどを評価することで、心臓の状態を確認することができます。
- 腹部の検査は、腹部の状態を詳しく調べる検査です。腎臓、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、消化器などの内部の構造や病気を検出することができます。
- 血管の検査は、頸部血管や四肢動静脈の内部の状態を詳しく調べる検査です。動脈や静脈の血流速度や血管の狭窄状態を評価することで、血管疾患を検出することができます。
- 体表の検査は、甲状腺や乳腺の病気を検出します。また、皮膚や筋肉などの体表部分の状態を詳しく調べる検査です。皮膚や筋肉の状態を評価することで疾患や外傷の程度を確認することができます。各検査時間は、20分~30分程度です。
1. 心臓エコー検査
検査内容
心臓の構造や機能を詳しく調べる検査です。胸骨の上部から超音波探触子を当て、心臓を撮影し、心臓の弁の動きや心筋の厚み、拡張や収縮の動きを評価します。心臓エコーは、心臓病や弁膜症、心筋梗塞などの診断に有用です。絶食の必要はありません。
2. 腹部エコー検査
検査内容
腹部の内部の状態を詳しく調べる検査です。腹部に超音波探触子を当て、腎臓、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、消化器などの内部の構造や病気を検出することができます。腹部エコーは、肝臓病、胆石症、膵炎、腎臓病、消化管疾患などの診断に有用です。検査の前は、6時間以上絶食となります(検査が午前中の時は、朝食を抜いて下さい)。
3. 頸動脈エコー検査
検査内容
頸部の血管内部の状態を詳しく調べる検査です。超音波探触子を当て、頸動脈の内部の血流速度や血管の狭窄状態を評価することができます。頸動脈エコーは、脳卒中、頸動脈解離などの診断に有用です。絶食の必要はありません。
4. 四肢血管エコー(上・下肢血管)検査
検査内容
四肢の血管内部の状態を詳しく調べる検査です。超音波探触子を当て、動脈や静脈の内部の血流速度や血管の狭窄状態を評価することができます。四肢血管エコーは、血管狭窄症、血栓症、動脈硬化症などの診断に有用です。絶食の必要はありません。
5. 体表エコー検査
検査内容
乳腺や甲状腺、その他の体表部位の検査が含まれます。 乳腺エコーは、乳房内部の構造を評価するための検査です。乳腺の組織や腫瘤の有無、大きさ、位置などを評価します。また、乳癌の早期発見に有効であり、乳房の定期的な検査に用いられます。甲状腺エコーは、甲状腺の形状や大きさ、組織の特性を評価するための検査です。甲状腺には、結節や腫瘤、炎症、嚢胞などが生じることがあり、甲状腺エコーでこれらの異常を検出することができます。
その他にも多くの部位の検査が含まれます。例えば、皮膚の損傷や腫瘤、嚢胞の有無、リンパ節の腫れや炎症などを評価できます。これらの検査は、診断や治療のための情報を提供する上で重要な役割を果たします。絶食の必要はありません。
トレッドミル検査
検査目的
- 虚血性心疾患(狭心症など)の診断及び重症度評価治療効果の判定
- 虚血性心疾患のスクリーニング検査
- 心臓リハビリテーションや生活指導、不整脈の評価など
検査内容
- 手前に動いてくるベルトの上を歩いてもらい徐々にスピードと傾斜を加えて心臓に負担をかけます。
- 心電図と血圧モニターの監視下において医師と技師が状態を見ながら検査の説明を行いますので安心して検査に望めます。
- 目標心拍数を設定して歩いて頂きますが辛くなればいつでも検査は中止できます。検査当日は食事を摂られて下さい。検査時間は30~40分程度です。
ホルター心電図検査
検査目的
- 自覚症状と心電図との対応
- 不整脈の診断
- 虚血発作(狭心症など)の診断
- 不整脈、狭心症などの治療効果判定
- 心臓ペ-スメーカー作動確認など
検査内容
携帯用心電図により睡眠中も含めて24時間にわたり心電図をメモリに記録します。機械の装着中はお風呂やシャワーの使用はできませんが、それ以外はいつもと同じ生活を続けて下さい。機械の装着と説明で約15分程度です。
24時間自動血圧計検査
検査目的
- 高血圧の程度の判定
- 高血圧の治療効果
- 白衣高血圧の診断
- 高血圧や低血圧と自覚症状の関係など
検査内容
血圧測定のためのカフを腕に巻き肩から小型の記録装置を携帯します。30分ごとに自動で血圧測定を行い24時間メモリに記録します。機械の装着中はお風呂やシャワーの使用はできませんが、それ以外はいつもと同じ生活を続けて下さい。機械の装着と説明で約15分程度です。
血圧脈液検査
動脈硬化の早期指標となる簡便なスクリーニング検査です。
検査目的
- 閉塞性動脈硬化症(ASO)
- 糖尿病
- 高血圧
- 動脈硬化症
- 冠動脈疾患
- 脳動脈疾患など
検査内容
両手両足にカフを巻き同時に血圧を測定しPWV(脈波伝播速度:心臓から押し出された血液により生じた拍動の伝播速度)とABI(足関節上腕血圧比)の2項目を測定します。検査時間は3分程度です。
呼吸機能検査
検査目的
呼吸に関する機能が障害されたときその程度と内容を検査します。手術前の呼吸状態を評価し麻酔中に起こる可能性のあるトラブルや術後の合併症などの危険を避けるための検査としても行われています。
検査内容
当院では肺気量分画測定、フローボリュームカーブ、機能的残気量測定、肺拡散能検査、基礎代謝率測定(予約制)などの検査を行っています。検査の実施には患者様の協力が不可欠であり正確に呼吸機能を調べるために測定時には担当技師がかけ声をかけて誘導させていただきます。装置内を清潔に保つためスパイログラフィー用フィルターを用いるなど安全性に努めています。
脳波検査
脳波検査は、脳の機能を評価するために行われ、脳の神経細胞が発する微弱な電気信号を記録することによって得られます。この検査は、脳の活動や病態を調べるために用いられます。脳波検査は、以下のような目的で行われます。
検査目的
- 脳波は、てんかん発作の原因や発作の種類を特定するために使用されます。
- 脳波は、脳疾患の診断にも役立ちます。例えば、脳腫瘍や脳炎のような疾患において、異常な脳波が観察されることがあります。
- 脳波は、脳死の診断にも用いられます。脳波がフラットライン状態を示す場合、患者は脳死と診断されることがあります。
検査内容
- 患者の頭皮に電極を取り付けます。これらの電極は、脳の電気活動を測定するために使用されます。
- 電極が取り付けられた後、患者様は仰臥位で脳波の記録を開始します。通常、検査は20分程度です。検査中、患者は目を閉じてリラックスするよう指示されます。
- 脳波の記録は、コンピューターで処理され脳の電気活動がどのように変化しているかを分析します。この分析された脳波を医師が診断します。
筋電図検査
検査目的
神経の障害や断裂、筋肉のけいれんや萎縮などを診断します。
検査内容
- 当院では針筋電図、誘発筋電図、体性感覚誘発電位、視覚誘発電位、聴性誘発電位などの検査を行っています。
- 針筋電図検査は筋肉に直接針を刺したり、誘発筋電図や体性感覚誘発電位は神経を電気で刺激するため多少の苦痛を伴う検査です。視覚誘発電位は視覚刺激、聴性誘発電位は音刺激を行います。
- 筋肉の興奮状態、神経の伝導速度や誘発された波形を確認し病態を把握し診断します。
- 聴性誘発電位は脳死判定の診断にも用いられます。
検査の実施には患者様の協力が不可欠であり安心して行われるよう努めます。心臓ペースメーカーなどを使用している場合は検査前に申し出て下さい。針筋電図に使用される針は完全滅菌されており1回限りの使い捨てですのでご安心下さい。
重心動揺計検査
検査目的
- めまいや平衡障害など体の揺れを客観的に分析します。
- 揺れの大きさや方向、スピード、規則性などから病体の障害部位(内耳、脳、その他)の推定及び重症度を検査します。
検査内容
床においた平らな台に脚を揃えて立ち1分間ずつ開眼時と閉眼時の記録します。検査時間は10分程度です。
人間ドック関連検査
以下が、聴力検査、眼底検査、眼圧検査の目的と内容です。これらの検査は、早期発見や適切な治療につながるため、健康管理の一環として定期的に受けることが推奨されます。
1. 聴力検査
検査目的
耳の聴力障害を診断するために行われます。
検査内容
患者様は、両耳にヘッドホンを装着し、異なる周波数と音量の音を聴きます。聴力検査には、純音聴力検査、音声聴力検査、言語聴力検査などがあり、当院では、純音聴力検査を使用します。
2. 眼底検査
検査目的
目の疾患(白内障や網膜剥離、眼底出血、視神経乳頭異常、その他)の診断に行われます。
検査内容
患者様のあごをあご受けに乗せて、あご受けを上下させ患者様の眼の位置に合せます。内部固視標を設定し、撮影したい部位に患者様の眼を誘導します。片眼ずつ撮影致します。
3. 眼圧検査
検査内容
眼球の内部の圧力を測定します。眼圧が高くなると緑内障などの病気になる可能性があります。当院の眼圧検査は、非接触型の方法(空気圧力法)です。
医療機器管理室
高度な医療技術の進歩に伴い、医療機器の複雑多様化が進んでいる中、これらの医療機器の性能を維持し、適性かつ安全に使用でき、また経済性にも優れた機器となるよう医療機器の中央管理化を行ないます。
医療機器中央管理業務内容
- パソコン等による医療機器個別情報管理
(貸出返却実績・点検内容・修理内容・機器固有情報等) - 医療機器の貸出・返却業務
- 医療機器のトラブル対応
- 始業、終業点検・定期点検等
- 修理業務
- 医療機器に関する情報収集
- 医療機器の新規購入、廃棄に関する業務
- 中央管理以外の機器に関する業務
医療機器管理室室内
保守管理台数
- 輸液ポンプ 143台
- シリンジポンプ 81台
- 人工呼吸器 14台
- ネーザルハイフロー 2台
- 経腸栄養ポンプ 20台
- ドリップアイ 9台
- オートパルス蘇生システム 1台
- オートクレープ 1台
- 麻酔器 4台
- 除細動器・AED 13台
- CHDF 4台
- 透析装置 1台
- メラサキューム 6台
- 電気メス 2台
- 手洗い装置 2台
- IABP 1台
- RFA装置 1台
- スーパーライザー 1台
- 12誘導心電計 9台
- 無影灯 4台
- SCD 20台
- その他手術関連機器 70台
臨床技術業務
- 血液浄化関連
- 胸水・腹水濾過濃縮法
- ラジオ波凝固療法(RFA)
- 内視鏡業務
- 心臓カテーテル検査業務
- 手術室・中央材料室業務
医療機器管理室スタッフ紹介
資格
呼吸療法認定士、高気圧酸素治療専門技師、医療情報コミュニケーター(MDIC)、第2種ME技術、各医療機器のメンテナンス技術講習会受講
内視鏡検査室
当院の消化管内視鏡に関しましては、早期消化管癌に対する内視鏡切除術、消化管狭窄に対する拡張術・ステント挿入術、などを施行しております。
当内視鏡検査室の特徴
当院の消化管内視鏡に関しましては、早期消化管癌に対する内視鏡切除術、消化管狭窄に対する拡張術・ステント挿入術、などを施行しております。ESDに関しましては、術者の技術向上およびデバイスの改善などにより、治療時間の短縮、および安定した治療成績が得られるようになっています。画像強調観察の一つである狭帯域光観察 (NBI : narrow band imaging)を用いた正確な病変範囲診断が可能となり治療成績の向上に寄与しています。また最近、内視鏡機器が、最新の内視鏡ビデオスコープシステムEVIS LUCERA ELITE(オリンパスメディカルシステムズ社製)へ更新されました。
胆膵内視鏡に関しましては、総胆管結石排石術、悪性胆管狭窄に対するステント挿入術、膵管狭窄に対するステント挿入術、などを施行しております。また、胆道癌においては、管腔内超音波検査による病変進展評価を行い、外科に術前情報を提供しています。胆膵内視鏡は、偶発症および、その重症化が危惧されます。当科は開院以来の経験の蓄積により、安全・確実な治療に努めております。
今後も消化器内視鏡診療を中心として、先生方のお役に立てるように努力していきたいと考えております。また現在の窮状を御賢察いただき、御支援をよろしくお願い申し上げます。
検査内容および検査日
検査内容 | 検査日 |
---|---|
胃内視鏡検査 | 月・火・水・木・金(午前) |
大腸内視鏡検査 | 月・水・金(午後) |
逆行性膵胆管造影(ERCP) | 火・木(午後) |
超音波内視鏡検査 | 火・木(午前) |
スタッフ
- 医師
日本消化器内視鏡学会認定指導医
日本消化器内視鏡学会認定専門医 - 検査技師
日本消化器内視鏡学会認定 専属内視鏡技師 - 看護師
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡技師免許保持者
内視鏡器具
- 上部消化管内視鏡
- 逆行性膵胆管造影用内視鏡
- 大腸内視鏡
- 超音波内視鏡
付属設備
- 休憩用リクライニング椅子
- ストレッチャー
検体検査室
24時間365日院内・院外の緊急検査に常時対応しています。必要な検査データがいつでも即時に報告できる「ノンストップ・リアルタイム」の検体検査室です。
検体検査室の基本方針
- 診療支援に不可欠な検査を24時間リアルタイム報告
- 検査精度ならびに技能の向上
- チーム医療への参画
- 専門知識、技能を要する検体検査の受託
業務内容の紹介
7名のスタッフが24時間体制で次の業務を行っています
- 主に血液の成分や酵素を化学的に定量・分析する生化学検査
- 感染の有無や既往を調べる肝炎ウイルス検査
- 生体内から分泌されるホルモンの量を調べる内分泌検査
- 悪性腫瘍等で特異的に出現する物質の量を調べる腫瘍関連検査
- 血液細胞の数や形態、出血・止血状態を調べる血液・凝固検査
- 免疫の状態や輸血に関する検査を行う免疫・血清検査
- 尿・髄液等の細胞や成分、糞便中の潜血を調べる一般検査
- 細菌やウイルスによる感染の有無を調べる微生物関連検査
- 輸血用血液製剤の発注・払い出し・保管などを行う輸血管理業務
検査項目一覧
生化学検査
検査目的
肝機能・膵機能・腎機能・心機能・脂質代謝・糖代謝・電解質・炎症反応など
検査項目
- ALP
- 総ビリルビン
- 直接ビリルビン
- コリンエステラーゼ
- γ-GTP
- Fe
- AST
- ALT
- LD
- クレアチニン
- 尿素窒素
- 尿酸
- 浸透圧
- Na・K・Cl
- Ca
- 無機P
- Mg
- 総蛋白
- アルブミン
- 微量アルブミン
- 総コレステロール
- 中性脂肪
- HDL-コレステロール
- LDL-コレステロール
- アミラーゼ
- アミラーゼアイソザイム
- CK
- CK-MB
- IgE
- フェリチン
- CRP(定量)
- 空腹時血糖
- HbA1c
- 血中アンモニア
- クレアチニンクレアランス
- シスタチンC
- 血中ガス分析
- ABC検診
- ペプシノゲン
- バンコマイシン
肝炎ウイルス検査
検査目的
B型肝炎・C型肝炎など
検査項目
- HBs抗原(ICA法)
- HBs抗原(精密)
- HBs抗体
- HCV抗体(精密)
内分泌検査
検査目的
甲状腺機能・膵機能・性ホルモンなど
検査項目
- F-T3
- F-T4
- TSH
- インスリン
- 尿中・血中HCG
- 妊娠反応
- BNP
腫瘍関連検査
検査目的
腫瘍マーカー測定
検査項目
- AFP
- CEA
- CA19-9
- CA125
- PSA
- SCC
血液・凝固検査
検査目的
貧血・炎症反応・血液疾患・肝機能・凝固因子・異常出血傾向・術前検査など
検査項目
- 白血球数
- 赤血球数
- 血色素量
- ヘマトクリット
- 血小板数
- 網状赤血球数
- 好酸球数
- 好中球数
- 血液像
- 骨髄像
- 赤血球沈降速度
- PT
- APTT
- フィブリノーゲン
- アンチトロンビン-Ⅲ
- D-Dダイマー
- 血中FDP定量
免疫・血清検査
検査目的
感染症・血液型・輸血関連・術前検査など
検査項目
- HTLV-I抗体
- STS(定性・定量)
- TP抗体(定性・定量)
- 抗ヘリコバクターピロリIgG抗体
- プロカルシトニン
- β-Dグルカン
- IgG
- KL6
- 心筋トロポニンT
- ABO式血液型
- Rh式血液型(D)
- 交差適合試験
- 直接クームス試験
- 不規則性抗体同定
一般検査(尿・糞便・髄液・穿刺液)
検査目的
腎機能・泌尿器疾患・感染症など
検査項目
- 尿一般定性
- 尿沈渣
- 便ヘモグロビン
- 細胞数
- 細胞種類
- 蛋白定量
- 糖定量
- クロール定量
微生物関連検査
検査目的
細菌感染症・ウイルス感染症など
検査項目
- インフルエンザ抗原検査
- CD抗原検査
- ノロウイルス迅速抗原検査
- 尿中肺炎球菌抗原検査
- 尿中レジオネラ抗原
- PCR検査
- 抗酸菌顕微鏡検査
- 一般細菌顕微鏡検査
- 血液培養検査
主な導入分析機一覧
検体搬送システム
- CLINILOG(1式)
【測定項目】検体の開栓・分注・収納
自動生化学分析装置
- BM6010(1台)
【測定項目】生化学項目
多項目自動血球分析装置
- XN-1000(1台)
【測定項目】血球計算・血液細胞分類
自動血液凝固測定装置
- CS-2100i/CA-1500(2台)
【測定項目】凝固項目
ガス分析測定装置
- ABL-9(1台)
【測定項目】ガス分析
浸透圧測定装置
- OM-6040(1台)
【測定項目】浸透圧
全自動免疫測定装置
- ルミパルスG1200(1台)
【測定項目】感染症項目・腫瘍マーカー・ホルモン - cobas e411(1台)
【測定項目】感染症項目・腫瘍マーカー・ホルモン
全自動輸血検査装置
- Evytra(1台)
【測定項目】血液型・交差試験・クームス試験・不規則性抗体
エンドトキシン、β-グルカン測定装置
- リムセイブ MT-7500(1台)
【測定項目】β-Dグルカン測定
血液培養装置
- BDバクテックTM FX(1台)
【測定項目】血液培養
病理・細胞診検査室
病理・細胞診室では、臨床検査技師8名と助手(事務)1名が、病理診断科に所属する病理医2名と共に、病理組織検査、術中迅速病理組織検査、特殊染色、免疫組織化学染色、細胞診検査、術中迅速細胞診検査を担当しています。
概要
患者情報、診断結果、画像情報などを一元的に管理できる病理・細胞診検査業務支援システムや自動包埋装置、自動染色装置、自動封入装置、自動免疫組織化学染色装置、液状処理細胞診システムなどの導入と共に、学会活動や研修会、外部精度管理に積極的に参加し、技術、職能の向上に努めています。
認定資格
- 臨床検査技師 8名
- 国内、国際細胞検査士 8名
- 2級臨床検査士(病理学) 2名
- 特定化学物質等作業主任者 1名
病理組織検査
胃や大腸、肺などの内視鏡検査を行った際に採取された組織や手術などにより摘出された臓器、組織から、固定、切出し、包埋、ブロック作製、薄切、染色などの工程を経て顕微鏡標本を作製します。出来上がった標本を病理医が顕微鏡で観察し、病変が良性か悪性か、進行の程度や転移の有無などを診断し、今後の治療方針決定に役立つ情報を臨床医に提供します。
術中迅速病理組織検査
手術中に摘出された臓器は病理医が肉眼所見を観察し標本を作製する部分を決定します。臨床検査技師は決定部より採取された組織から凍結標本を作製します。-80℃に冷却したヘキサンで瞬間的に凍結し、これを専用の装置(クリオスタット)を用いて約4㎛の厚さに薄切、スライドガラスに貼りつけ、ヘマトキシリン・エオジン染色で顕微鏡標本を作製します。その後、病理医が顕微鏡で病変の良性・悪性、切除断端部への病変波及の有無、リンパ節等への転移の有無など速やかに診断して手術室に伝え今後の治療方針が決定されます。
細胞診検査
肺がんでは痰、膀胱がんでは尿の中にがん細胞が見られることがあります。痰や尿をスライドガラスに塗抹し、染色を行い顕微鏡で調べてがん細胞があるかどうかを判断するのが細胞診です。子宮がん検診では、子宮頸部や体部から細胞を採取して調べます。甲状腺や乳房などにしこりがあると、細い針を刺し吸引して採取された細胞をスライドガラスに塗抹し、がん細胞があるかどうかを調べる場合もあります。これらの標本作製、鏡検を細胞検査士が行い、異常な細胞が見られた場合、細胞診専門医(病理医)が最終判定を行います。
当院では子宮頸部細胞診に液状処理細胞診システム(BDシュアパス法)を導入しています。見やすく均一な標本作製が可能なため診断精度の向上と共に、細胞採取器具の先端を専用のバイアルに入れたまま提出されるため、ほぼ100%の細胞が回収されるようになり不適正標本の削減が可能になりました。
術中迅速細胞診検査
手術中に体の中に貯留していた胸水や腹水、腫瘍内容液などを急いで検査することもあります。30分以内の結果報告を目標に、標本作製、鏡検を行っています。迅速病理組織検査と同様に手術方針、手術後の治療方針決定に役立つ検査です。
作業環境への取り組み
- 感染対策について
安全キャビネットを導入し、喀痰などの細胞診検体の処理を行うことにより外部への飛散を防止し、感染予防に努めています。 - ホルマリン対策について
特定化学物質障害予防規則を遵守し、プッシュプル方式の切出し台、強制排気式の検体保管棚を設置し作業環境の保全に努め、6ヶ月に1回、外部委託業者による環境測定を実施しています。 - 廃液処理について
ホルマリン、アルコール、染色液などの廃液は外部業者に委託し適正に廃棄処理しています。
リハビリテーション室
リハビリテーション室は平成21年9月に「診療支援部リハビリテーション室」として開設しました。病気の発症、手術後の早期開始から各専門士が連携して個々にあったリハビリテーションを提供し患者と家族が目標達成に向かっていけるようチーム医療としても支援しています。主に急性期の入院患者を対象としており「専門性を追求した効果的なリハビリテーションの提供」を基本理念に社会復帰へ向けた積極的なリハビリテーションを365日行っています。
はじめに
語源的にrehabilitation(リハビリテーション)とはre-(再び)-habilis-(適した)-tation(にすること)です。病気やケガで障害を持ったとき、再び相応しい状態に戻し「人間らしく生きる」ことがリハビリテーションです。また障害を持ったままでも本人にとってよりよい生活を送れるよう、最大限の能力を生かすために理学療法、作業療法、言語聴覚の専門士が支援していきます。
リハビリテーション室は平成21年9月に「診療支援部リハビリテーション室」として開設しました。病気の発症、手術後の早期開始から各専門士が連携して個々にあったリハビリテーションを提供し患者と家族が目標達成に向かっていけるようチーム医療としても支援しています。主に急性期の入院患者を対象としており「専門性を追求した効果的なリハビリテーションの提供」を基本理念に社会復帰へ向けた積極的なリハビリテーションを365日行っています。
地域包括ケア病床においてもリハビリテーションを展開し医療連携室を交えて、より一層在宅・社会復帰に向けたサポート体制を整えています。
施設基準
- 脳血管リハビリテーション(Ⅰ)
- 呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)
- 運動器リハビリテーション(Ⅰ)
- 心大血管リハビリテーション(Ⅰ)
- がん患者リハビリテーション
リハビリスタッフ
- 医師 1名
- 理学療法士 15名
- 作業療法士 5名
- 言語聴覚療法士 3名
- リハビリ事務 1名
他資格
- 心臓リハビリテーション指導士
- 呼吸療法認定士
- 脳卒中認定理学療法士
- パーキンソン病の運動療法LSVT®BIG
- 糖尿病療養指導士
- 介護支援専門員
- 福祉住環境コーディネーター3級
リハビリ対象疾患例
- 脳血管疾患
脳梗塞、脳腫瘍、脳症など - 神経筋疾患
ギランバレー症候群、脳炎、筋委縮性側索硬化症、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎など - 内部疾患・循環器疾患
がん・がん術後、消化器疾患、急性心筋梗塞、狭心症など - 呼吸器疾患
肺炎、慢性閉塞性肺疾患、呼吸不全など - 運動器疾患
関節リウマチ、変形性関節症、骨折術後など
- 医師によりリハビリ適応、依頼があった対象者に限ります
理学療法
内科・外科・包括ケア病棟・緩和ケアの各分野にグループ構成されています。個々の疾病等に起因する機能・形態障害に対して運動療法をしています。主に基本動作(寝返る・起き上がる・坐る・立つ・歩くなど)の回復を図り、福祉用具・義肢装具の選定や家屋・環境調整を行っています。その他、癌性疼痛緩和や心肺運動負荷試験を用いた心臓リハビリを行っています。
作業療法
内科・外科・地域包括ケア病棟の各分野に配属しています。主に高次脳機能障害(覚えられない・思い出せない・集中力が続かない・道具が上手に扱えない・一連の動作がスムーズに行えない等の症状)に対して集中的に作業療法を実施しています。また安全・安心に社会生活を送るために食事・整容・更衣・排泄・入浴等の日常生活動作や炊事・洗濯・掃除・買い物等の生活関連動作に対しても同じような状況を設定した上で道具を使用しながら機能回復を図っています。
言語聴覚療法
脳血管・神経筋疾患や口腔・咽頭がん術後が原因で「摂食・嚥下(食べる・飲み込む)」が障害された方へ嚥下造影検査・嚥下評価を用いて障害特徴を捉え摂食・嚥下機能訓練、食事形態や食環境の調整を行います。失語症・構音障害および高次機能障害など「コミュニケーション(話す・聴く・読む・書く)」の機能障害があり言葉が出ない、気持ちの表現が出来ない方へ言語訓練、構音・発声訓練や高次脳機能訓練を通じて指導・相談と家族の支援にも取り組んでいます。
栄養管理室
食生活を通じて健康増進に寄与することを目指します。
基本理念
食生活を通じて健康増進に寄与することを目指します。
目標
- 患者様に安心・安全な食事の提供を行います
- 他職種と協力し合い、より質の高いチーム医療を目指します
- 患者様に1日でも早い回復が目指せるよう支援します
食事時間
朝食 | 8:00 |
---|---|
昼食 | 12:00 |
夕食 | 18:00 |
行事食
おせち、七草、節分、ひな祭り、こどもの日、七夕、お盆、クリスマス等、毎月行事食を実施しています。
嚥下調整食への対応
当院では平成26年1月より嚥下調整食を導入しており、嚥下調整食学会分類2013に則った食事形態での提供を行っています。医師、言語聴覚士、摂食・嚥下障害看護認定看護師、管理栄養士等、多職種で評価を行い、患者様の状態に合わせて食事内容の調整を行っています。
食欲不振への対応
食欲が低下している患者様に対して管理栄養士が聞き取りを行い、嗜好に沿った食事内容を提案しています。食欲不振食や個別対応食、麺類やアイスクリームの提供など、可能な限り個人に合わせた食事内容で「食」をサポートしています。
NST:栄養サポートチーム
医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、管理栄養士等多職種で連携を図り、患者様の栄養管理についてサポートしています。平成22年より栄養サポートチーム加算を算定し、積極的に活動しています。
NSTでの管理栄養士の役割は、栄養状態のスクリーニング、必要栄養量の算出、栄養素の充足、適切な栄養療法の評価等です。医師の治療方針に沿って、個々に応じた栄養管理の提案、助言を行っています。NST活動によりHCU早期退室、栄養状態の改善、経口摂取への移行、QOLの改善等を図っています。この他、他委員会とも連携を図り、活動しています。
栄養指導
当院では入院及び外来の患者様への栄養相談を行っています(予約制)。個別指導中心となっており、1回の所要時間は30分程度です。
日時
月~金:午前9:00~/午後14:00~
土 :午前9:00~