看護部
概要
少子高齢化の更なる進行、複合ニーズをもった高齢者の増加、それを支える現役世代の減少など、疾病構造の変換期を迎える2040年を見据え、当院は会員と共に、急性期から在宅支援までシームレスな医療提供と、事業継続するために必要な人材確保・育成に努めております。
地域の人々の健康や生活を支え、在宅を中心に入退院を繰り返し、最後は看取りを要する患者を支えるため、外来、入院、在宅、介護と、あらゆる場の看護師が専門性を発揮し、シームレスな質の高い看護を提供していくことが重要となります。その中で看護師に求められるのは、患者の異変を予測し多様な情報を統合して、地域のサービスや他職種と連携し、チーム医療の中で判断・統率することだと考えております。それを実現するために、理念に掲げている4つのS(Safety Sincerity Smile Specialty)に努め、フィジカルアセスメント、入退院支援に必要な知識とスキル、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)、認知症・せん妄対策、倫理的課題への取り組み、感染症対策など、教育に力を入れております。
知識や技術はもちろんのこと、豊かな人間性を育み、倫理綱領を道標として心のこもった看護実践ができるよう、また、お互いを認め合い尊重し合える環境作りに取り組み、受け持ち看護師の責任ある看護の提供に努めております。
看護部は、自分の仕事に誇りを持ち成長していく看護師を支援いたします。
救急外来・HCU
当院は、紹介型病院・災害拠点病院として鹿児島の2次救急医療の役割を担っています。救急外来とHCU8床を1看護単位として運用し、救急搬送された患者さんや緊急入院が必要な患者さんに看護を提供しております。
救急外来では、診療科を問わず様々な患者の対応を行っています。急速に状態が変化する患者や緊急手術を受ける患者に対し、医師をはじめ他部門と連携を図りながら適切かつ速やかな観察やケアの提供に努めています。一刻を争う状況においても、患者、家族に寄り添い安心して頂けるような声かけを忘れず優しい笑顔を心がけています。
HCUでは、一般外来・救急外来の他、院内の術後管理が必要な患者や急変患者の受入を行っています。医療機器を整備したハイケアユニットでの管理により重症化を未然に防ぎ、状態の改善を図り一般病棟へ繋ぐ体制を構築しています。また、人工呼吸器や血液浄化療法など高度な医療への対応が適切に行われるように医師やコメディカルと協働し、安全な医療と看護の提供に努めています。毎日のカンファレンスでは、患者個々に合ったケアの検討が行われ質の高い看護を提供できるよう取り組んでいます。さらに、患者家族に対しても細やかな配慮を心がけています。
HCU・救急外来に勤務する看護師は、幅広い知識と高度な看護技術が求められます。加えて、フィジカルアセスメント能力、患者の変化に対応できる判断力や適応力も必要です。そのため、各々の看護師は積極的に研修に参加し、新しい知見を共有しながらブラッシュアップを図っています。私たちは、患者、家族にとって何が最善かを常に考え、安心・安全な看護の提供に全力を注ぎ取り組んでいます。
総合外来
私たち総合外来看護師は、外来診療部門、検査部門(内視鏡検査室、心臓カテーテル室、MRI室、CT室)、外来化学療法部門を担当しております。
外来診療部門には、糖尿病看護認定看護師・がん化学療法看護認定看護師・緩和ケア認定看護師、心不全療養指導士が所属し、スタッフの育成を図ると共に、専門的な看護を提供しています。毎日振り返りカンファレンスを行い、受け持ち看護師を中心に医療連携・相談室員と連携を図り、在宅療養生活を支える看護、地域と病院をつなぐ看護を実践しています。
検査部門は明るい雰囲気と笑顔を心がけ、医師、診療放射線技師、内視鏡検査技師、臨床検査技師、臨床工学技士など、多職種とともに安心・安全な検査介助を実践しています。
外来化学療法部門では、患者、家族が病状や治療、副作用などを理解し、安心して治療を受けられるよう看護を実践しています。
私たち総合外来看護師は、安心・安全な医療と、多職種と連携し患者の”思い”に寄り添う看護を実践しています。
手術室・中央材料室
当院手術室では、主に外科・婦人科・乳腺科・甲状腺科の手術を行っており、術式に応じたスキルや知識の習得に努めております。
手術室看護師は、手術を受けられる患者さんに、安心して手術を受けていただけるよう、入院前に術前オリエンテーションの実施、入院後は術前・術後訪問を行っています。また、診療科や麻酔科、診療支援部など様々な部門と連携しながら、安全安心な手術看護を提供できるよう実践しております。
さらに中央材料室では手術器材だけではなく、病院全体の器械の洗浄・滅菌を行い、安全な器械の提供を行っております。
病棟
6階病棟
6階病棟は循環器内科、脳神経内科、消化器内科を中心とした患者さんの受け入れを行う急性期病棟です。患者様・ご家族に寄り添い、退院を見据えた看護を提供することを目標としています。
私たちの病棟の強み
- 循環器疾患を多く学ぶことができ、循環器看護が強くなれます。心不全療養指導士の在籍や資格を目指すスタッフもいます。
- 脳神経障害の看護を学び、リハビリスタッフと協働し患者様のADL改善を目指した援助ができます。
病棟の取り組みとして、災害訓練や退院支援、知識向上のための勉強会、看護学生の臨地実習がしやすい環境作りを行っています。
7階病棟
7階病棟は消化器外科を中心とした様々な診療科の急性期疾患患者さんの受け入れを行う急性期病床と地域包括ケア病床のケアミックス病棟です。
急性期病棟では、消化器外科疾患の術前術後の管理、検査目的の入院、がん化学療法を必要とする患者の治療管理とACP(アドバンス・ケア・プランニング)を重視した看護を実践しています。
地域包括ケア病床は、患者さんが病状安定後、安心して自宅に帰宅し、かつ自分らしい生活を送るために入院する病棟です。入院期間が原則最長60日と定められておりますので、在宅復帰をめざし多職種共同でカンファレンスを重ね、在宅復帰できるように支援しております。
12時間夜勤を導入し、ワークライフバランスの充実を目指し、病棟に所属する看護助手、ヘルパー、クラーク、他職種と協力し、業務改善やタスクシフトについて取り組み、働きやすい職場環境を目指して取り組んでおります。
8階病棟
8階病棟は緩和ケア病棟です。病院の最上階にあり外の景色を眺められる明るい病棟です。
手術や抗がん剤治療などの積極的ながん治療を希望しない患者さんの療養場所で、患者さんとご家族が残された大切な時間をゆっくり安心して過ごせるような環境を提供しております。
患者さんにとって苦痛を伴う検査や処置は最小限とし、痛みやそのほかの苦痛となる症状を和らげ、患者さんがその人らしく穏やかに過ごせるように、毎日多職種でのカンファレンスを行っております。がん性疼痛看護認定看護師、緩和ケア認定看護師、終末期ケア専門士、認定心理士、臨床心理士による専門的な介入、医師・看護師・ヘルパー・看護助手・他職種間で日々話し合い、患者さんやご家族に対して最善のケアが行えるよう努めております。年間を通して、患者さんが季節を感じられるようなイベントも行っております。終末期看護を学ぶための実習を受け入れており、看護学生より「看護師さんたちが優しい、病棟の雰囲気がいい」との声が聞かれます。
自宅での療養を望まれる場合は在宅医療チームと連携し、安心して自宅で過ごされるよう支援いたします。また、自宅療養をしている患者さんの急な病状変化の際、すぐに入院できるよう対応しております。
新型コロナウイルス感染症対策として面会時間の制限はありますが、可能な限り患者さんとご家族の気持ちに添えるよう努めております。