令和4年度 鹿児島市医師会 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 18 86 221 365 268 368 542 496 249
解説
『令和5年度 病院情報の公表の集計条件について』に基づき、2022年4月から2023年3月に退院した患者様の入院時満年齢を集計しています。
当院は開放型共同利用施設として設立された紹介型病院で、患者様の殆どが医療施設からのご紹介です。
入院患者の60歳以上が占める割合は全体の63.3%(昨年63.8%)、80歳以上は28.5%(昨年25.4%)となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍乳腺悪性腫瘍手術乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等手術・処置等1なし 36 6.56 9.99 94.44 65.25
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍手術なし手術・処置等26あり 33 4.27 4.44 0.00 71.42
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)腹腔鏡下胆嚢摘出術等 31 8.81 6.07 0.00 63.55
060335xx02000x 胆嚢炎等腹腔鏡下胆嚢摘出術等手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 30 9.97 6.93 0.00 59.10
060040xx99x70x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍手術なし手術・処置等27あり定義副傷病なし 28 3.36 4.47 0.00 68.75
解説
外科では消化器悪性腫瘍の手術や手術前後補助化学療法および胆のう結石や虫垂炎に対する腹腔鏡下手術を行っています。
開放型共同利用施設として、院外主治医と共同で手術を行っています。
外来化学療法室がありますが、初回化学療法、ご高齢の患者様や遠方の患者様など、入院での治療を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 67 32.18 17.54 2.99 85.94
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患手術なし手術・処置等11あり手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 64 3.58 3.04 1.56 70.27
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患経皮的冠動脈形成術等手術・処置等1なし、1,2あり手術・処置等2なし 35 5.57 4.26 0.00 73.17
050210xx97000x 徐脈性不整脈手術あり手術・処置等1なし、1,3あり手術・処置等2なし定義副傷病なし 30 16.50 9.89 3.33 83.33
050070xx99000x 頻脈性不整脈手術なし手術・処置等1なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 21 18.71 6.24 0.00 76.71
解説
循環器内科では24時間緊急受け入れ体制を維持し、心不全(慢性、急性含む)や虚血性心疾患のカテーテル検査や経皮的冠動脈ステント留置術等の手術を行っています。
また、不整脈疾患(完全房室ブロック、心房細動や上室期外収縮等)に対するペースメーカー移植術(交換を含む)や薬物調整療法も行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 55 2.91 2.64 0.00 74.20
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎限局性腹腔膿瘍手術等手術・処置等2なし定義副傷病なし 43 10.95 8.94 2.33 84.70
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患小腸結腸内視鏡的止血術等 22 10.23 9.41 0.00 76.05
060090xx02xxxx 胃の良性腫瘍内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術その他のポリープ・粘膜切除術等 14 9.50 6.32 0.00 77.57
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患手術なし 14 7.71 7.63 0.00 64.36
解説
消化器内科では、上部消化管(食道・胃・十二指腸)・下部消化管(小腸・大腸・直腸)、肝胆膵疾患に対して内視鏡的検査・手術を行っています。
胃・大腸ポリープの内視鏡切除では病理で悪性が分かり外科へ転科する例もあります。また、肝胆膵疾患(総胆管結石、胆管炎、膵炎等に対し内視鏡的手術(内視鏡的結石除去、胆道・膵管ステント留置やENBD(内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術)を行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎手術なし手術・処置等2なし 24 26.25 21.11 16.67 88.42
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症手術なし手術・処置等2なし15歳以上 23 22.13 16.85 4.35 53.74
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症手術なし 13 21.92 13.61 7.69 82.15
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー手術・処置等24あり 12 29.33 16.50 33.33 64.58
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患手術なし手術・処置等2なし定義副傷病なし 12 30.75 14.67 0.00 72.33
解説
脳神経内科では、不明熱、自己免疫疾患等の難病、急性期脳血管疾患や肺炎等の幅広い疾患に対応しています。
CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)の免疫グロブリン大量療法、パーキンソン病のダットスキャンによる画像診断・薬剤調整・リハビリテーションを行っています。急性期脳梗塞の薬物療法に対応しており、必要に応じて専門病院と連携し、転院・治療をおこないます。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 287 7.22 5.98 0.00 43.84
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍卵巣部分切除術(腟式を含む。)腹腔鏡によるもの等 98 7.60 6.04 0.00 43.39
120100xx01xxxx 子宮内膜症子宮全摘術等 76 7.45 7.13 0.00 38.07
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ子宮全摘術等 31 3.65 2.81 0.00 44.26
120100xx02xxxx 子宮内膜症腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 27 7.48 6.47 0.00 46.15
解説
婦人科では子宮筋腫、卵巣腫瘍や子宮内膜症(子宮の細胞が子宮以外の場所にできる)等の腹腔鏡下手術を多く行っています。また子宮外妊娠に対する緊急腹腔鏡下手術についても多く実施しています。
過去の手術歴や腹腔内の状態により開腹手術になる場合があります。
女性専用病棟を設けており、安心して療養いただけるように努めています。(病床調整で男性が個室に入院する場合があります。)
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 18 0 8 12 3 8 1 8
大腸癌 18 21 34 12 10 110 1 7,8
乳癌 22 5 2 0 6 2 1 8
肺癌 0 0 0 1 6 0 1 8
肝癌 0 2 1 0 2 0 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 定義
2022年4月から2023年3月までの退院症例のうち5大がんと呼ばれる胃がん・大腸がん・肝がん・肺がん・乳がんの病期(ステージ)ごとに国際対がん連合(UICC)の病期分類に準じて集計しています。
 解説
当院では消化器内科と外科があり、大腸癌・胃癌が多くなっています。
StageⅠ~Ⅳまで分布が幅広いのは消化器内科で内視鏡手術、外科で腹腔鏡、開腹手術を施行しているためです。
また、再発の件数が多いのは、遠隔転移があり術後化学療法目的で入退院される患者様が多いためです。
乳癌について、当院は開放型共同利用施設のため地域の医療施設と共同での手術を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 2 10.00 59.00
中等症 17 21.00 75.00
重症 2 58.50 85.50
超重症 3 41.00 90.33
不明 0 0.00 0.00
 解説
肺炎重症度分類(A-DROP)で各項目に点数があり、その合計点数で軽症から超重症に分類されます。
・Age(年齢)          男性70歳以上、女性75歳以上
・Dehydration(脱水)     BUN21mg/dL以上または脱水あり
・Respiration(呼吸)      SpO2<=90%(PaO260Torr以下)
・Orientation(意識障害)  意識障害あり
・Pressure(収縮期血圧)  収縮期血圧90mmHg以下

※重症度の段階
軽症︓ 0点の場合
中等症︓1〜2点の場合
重症︓ 3点の場合
超重症︓4〜5点の場合

軽症8.3%、中等症70.8%、重症8.3%、超重症12.5%と中等症以上が91.7%となっています。
また、重症度が上がる毎に患者様の平均年齢も上がっています。

退院時の医療資源を最も投入した傷病名が肺炎の場合を集計しております。そのため、別の医療資源を最も投入した傷病名に肺炎を併発している場合は、統計ルール上カウントされません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 16 30.44 76.69 25.00
解説
 当院では、脳梗塞の急性期に対する早期治療、早期リハビリテーションを実施しています。
また、脳外科手術など高度急性期治療が必要な場合や、回復に向けた長期リハビリテーションを行う場合転院等、専門病院と連携しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 60 1.78 6.97 0.00 61.52
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(胸筋切除を併施しない) 32 1.28 4.34 100.00 66.19
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 27 5.11 23.11 0.00 74.07
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 18 1.06 6.00 0.00 47.39
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術) 13 5.46 24.31 0.00 68.54
解説
 外科では、急性胆のう炎や胆のう結石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が最も多くなっています。
 乳癌手術について、当院は開放型共同利用施設として会員医師と共同で手術を行っています。術後は紹介医療施設へ転院するため転院率が高くなっています。
 また、胃、大腸、直腸など消化器がんに対する腹腔鏡下手術や開腹手術を行っております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 26 1.19 3.31 0.00 72.42
K597-2 ペースメーカー交換術 24 1.00 13.54 4.17 83.79
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 11 0.45 13.36 0.00 78.18
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - - - - -
解説
 循環器内科では、経皮的冠動脈ステント留置術が多く、定められた基準(発症時間や治療開始時間等)で算定する手術が変わり、急性心筋梗塞、不安定狭心症、その他の3つに分けられます。
 また、完全房室ブロック、洞不全症候群に対するペースメーカー移植術や、移植したペースメーカーの電池消耗による交換術を多く実施しています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 47 0.60 1.21 0.00 73.83
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 33 3.03 11.52 6.06 85.36
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 29 2.00 7.00 0.00 77.17
K654 内視鏡的消化管止血術 20 2.90 10.20 5.00 77.70
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 17 0.88 6.82 0.00 73.29
解説
 消化器内科では、内視鏡による低侵襲の検査・手術を行っております。また、消化器内科以外の診療科からの依頼で上部・下部内視鏡検査を行うことも多く、がんの早期発見に努めています。
 胃・大腸ポリープ切除、胆管・膵管の閉塞に対するステント留置術や吐血・下血に対する緊急内視鏡による止血術も多く実施しています。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 234 1.01 5.58 0.00 47.52
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 164 0.96 5.90 0.00 41.51
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 97 1.00 5.38 0.00 36.82
K872-31 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術(電解質溶液利用) 26 1.00 1.73 0.00 43.96
K867-3 子宮頸部摘出術(腟部切断術を含む) 19 1.00 2.16 0.00 42.16
解説
 婦人科では、子宮筋腫・子宮腺筋症、卵巣腫瘍・チョコレートのう胞などの腹腔鏡手術を多く実施しています。
 女性専用病棟を設けており、安心して療養いただけるよう努めています。(病床調整で男性が個室に入院する場合があります。)
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.04
異なる 4 0.15
180010 敗血症 同一 8 0.31
異なる 10 0.38
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0.00
異なる 0 0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一 8 0.31
異なる 2 0.08
解説
 「入院の契機となった傷病名」と「医療資源を最も投入した傷病名」が同一か否かを集計しています。
 手術の合併症として発症する場合や、他医療施設で発症し転院されてくる場合もあります。手術では術前に起こりうる合併症やリスクについて説明し、ご理解いただいた上で治療を行います。
更新履歴
2023/9/27
令和4年度病院指標を公開しました。