令和2年度 鹿児島市医師会 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 48 126 233 409 290 530 654 550 207
2020年4月から2021年3月に退院した患者様の入院時満年齢を集計しています。
当院は鹿児島市の医師会員により設立された紹介型病院で、患者様の殆どが会員医療施設からの御紹介です。
当院の入院患者様は60歳以上の占める割合が全体の63.7%、80歳以上が24.8%とご高齢の患者様が多く入院しています。
また、全国の統計から比較して20~40歳代の患者数が多くなっていますが、婦人科の手術症例が半数以上を占めています。
当院ではご高齢の患者様の肺炎や心不全など救急医療の受入も多く、若年の患者様には難病、婦人科疾患の入院治療も行っています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 39 4.23 4.513976939 0 66.36
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 35 12.69 7.229404742 2.86 64.71
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 34 27.15 16.19378419 0 69.53
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 33 7.48 10.30358962 100 63.82
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 25 8.12 5.437469191 0 41.8
『令和3年度 病院情報の公表の集計条件について』に基づき集計しています。
 消化器悪性・良性腫瘍の患者様の手術、術後化学療法を行っています。
 症例数1位は、結腸癌の化学療法(抗癌剤治療)です。初回化学療法、ご高齢の患者様や遠方の患者様については、患者様の希望に合わせて入院での治療を行っています。
 胆のう腺筋腫症や胆石性胆のう炎などに対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が2番目に多く35件、大腸癌の手術が3番目に多く34件、急性虫垂炎に対する手術が25件で5番目となります。
 乳房の悪性腫瘍について、当院は鹿児島市医師会の会員により設立され、開放型共同利用施設として会員医師と共同で手術を行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 158 2.71 2.659203652 0 70.06
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 51 9.78 9.528367727 11.76 81.59
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 17 14.88 10.82676444 23.53 78.29
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 小腸結腸内視鏡的止血術等 16 10.13 9.739230633 6.25 76.06
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 16 7.13 7.73752878 6.25 75.13
大腸ポリープに対するポリープ切除が1位となっています。また、総胆管結石、胆管炎、閉塞性黄疸などに対し内視鏡的手術(内視鏡的胆道ステント留置や内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)など)が多く51件でした。
腹痛、消化管出血も多く入院しており、結腸憩室炎・腸炎・食道から直腸までの消化管出血に対しての止血術等の診療も行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 118 5.44 3.06789002 0 69.45
050070xx9900xx 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 51 26.22 7.093014243 5.88 81.8
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 46 7.28 4.439487795 0 69.67
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 27.55 10.56328861 3.45 85.48
050050xx9900xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 17 23.53 7.150422992 0 74.18
症例数1位は狭心症に対する心臓カテーテル検査が118件と最も多く、3位は狭心症に対する経皮的冠動脈ステント留置術が46件、手術処置なしも17件ありました。
 2位は頻脈性不整脈が51件となっています。病状としては心不全が多くを占めており、高齢者が多く殆どが緊急入院です。
4位は完全房室ブロックなどに対する心臓ペースメーカー移植術(交換を含む)が29件ありました。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし15歳以上 50 29.72 17.00118636 10 51.88
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24あり 33 29.33 16.94517352 18.18 61.97
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 26 21.81 20.51420071 34.62 85.96
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 20 12.45 13.00367351 10 68.5
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病なし 19 12.16 10.75836431 0 55.11
 1位は脳炎、脳症、髄膜炎は手術・処置なし副傷病なしが50件となっています。
 基礎疾患を他に持つ患者様やご高齢の患者様など誤嚥性肺炎を罹患する症例が多く26件となっています。高齢者も多いため在院日数は伸びる傾向があります。
 指定難病である慢性炎症性脱髄性多発神経炎などに対するガンマグロブリン大量療法が33件となります。
 4位は尿路感染症、5位は細菌感染症、ウイルス感染症等となります。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 225 7.84 6.09673515 0 42.44
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 139 8.58 6.158360692 0 41.15
120100xx01xxxx 子宮内膜症 子宮全摘術等 66 8.61 7.301662198 0 37.32
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 39 8.51 9.571266242 0 45.79
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 32 3.94 2.926575178 0 39.66
 子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜症(子宮の細胞が子宮以外の場所にできる)に対する腹腔鏡下手術を数多く実施し、緊急手術が必要な子宮外妊娠に対して腹腔鏡下手術も多く実施しています。
 子宮全摘術については病状や患者様の希望などで105件となります。
 女性専用病棟を設けており、安心して療養いただけるように努めています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 23 5 12 10 2 13 1 7,8
大腸癌 20 30 35 22 19 120 1 7,8
乳癌 10 16 0 2 11 3 1 8
肺癌 0 0 0 2 9 0 1 8
肝癌 2 0 0 1 5 1 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
◆定義
2020年4月から2021年3月までの退院症例のうち5大がんと呼ばれる胃がん・大腸がん・肝がん・肺がん・乳がんの病期(ステージ)ごとに国際対がん連合(UICC)の病期分類に準じて集計しています。
◆解説
当院では消化器内科と外科があり、大腸癌・胃癌が多くなっています。
StageⅠ~Ⅳまで分布が幅広いのは消化器内科で内視鏡手術、外科で腹腔鏡、開腹手術を施行しているためです。
また、再発の件数が多いのは、遠隔転移があり術後化学療法目的で入退院される患者様が多いためです。
乳癌について、当院は開放型共同利用施設のため地域の医療施設と共同での手術を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 11.86 51.93
中等症 20 24.70 84.85
重症 7 32.86 88.86
超重症 5 21.20 88.40
不明 0 0.00 0.00
◆定義
2020年4月から2021年3月までの退院症例を成人(15歳以上)の肺炎患者様について重症度別に集計しています。
◆解説
軽症:30.4%、中等症:43.4%、重症:15.2%、超重症:10.8%と中等症以上が69.5%となっています。
重症度が上がるにつれて在院日数が延び、平均年齢が高くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 24 23.38 76.33 23.53
その他 10 26.40 79.00 26.47
脳血管疾患は発症後速やかに治療を開始することが大切です。当院では24時間救急受入態勢をとっており、早期診断早期治療、そして早期リハビリにも力を入れています。
発症3日以内の治療目的の症例が70.5%、発症日がその他の他院で治療が終了後にリハビリ目的の症例が29.4%となっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 62 2.16 8.92 1.61 62.74
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 26 4.88 22.62 3.85 67.31
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 25 1.48 4.56 100 62.32
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 24 0.54 6.54 0 41.42
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 12 2.17 4 8.33 66.67
K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術) 12 5.58 26.25 8.33 72.08  
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 12 9.83 22 8.33 75.42  
『令和3年度 病院情報の公表の集計条件について』に基づき集計しています。
外科で最も件数が多い腹腔鏡下胆嚢摘出術は、当院では1991年から導入し、技術の向上に伴って最近では約80%がこの術式で行われています。重症の胆のう炎や手術歴がある場合は開腹手術となります。
次いで、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術ですが、大腸がんに対する腹腔鏡手術は1990年代前半から国内で行われるようになり、腹腔鏡手術を施行する施設は徐々に増えています。
乳腺悪性腫瘍手術について、当院は鹿児島市医師会の会員により設立され、開放型共同利用施設として会員医師と共同で手術を行っており、術後は紹介元へ転院し療養されるため、転院率が高くなっています。
急性虫垂炎に対して行う腹腔鏡下虫垂切除術は緊急で行うことが多く、術前日数は1日未満となっています。
抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置は化学療法を行うためのものです。メリットとしてカテーテル感染や破損リスクを低減し、日常生活の不便さや美容上の問題点を解決できます。
同数で開腹による胃がん、大腸がん手術となります。手術歴や病期によって患者さんに適した手術方法を決めています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 141 0.52 1.42 0 71.57
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 48 2.73 10.23 20.83 83.96
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 24 0.67 6.58 4.17 69.88
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 23 0.78 6.61 8.7 66.7
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 23 0.04 1.91 0 63.61
内視鏡的ポリープ切除術が多く、検査で見つかった場合、同日に切除をしています。(検査で見つかっても改めて別日に切除する施設もあります)
内視鏡的胆道ステント留置術は胆管炎や閉塞性黄疸等に対する処置です。
小腸結腸内視鏡的止血術は結腸憩室出血等の下部消化管出血に対し行われます。
次いで、膵管狭窄症などに対する内視鏡的膵管ステント留置術となります。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 37 2.35 4.41 2.7 69.97
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 21 6.1 28.81 4.76 84.67
K597-2 ペースメーカー交換術 11 1 11.45 0 83.36
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 10 0 33.3 0 69
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) - - - - -
急性心筋梗塞や狭心症に対する経皮的冠動脈ステント留置術が多く、定められた基準により急性心筋梗塞、不安定狭心症、その他の3つ分かれています。
心臓カテーテル検査で狭窄が見つかった場合に行う経皮的冠動脈ステント留置術(その他)が最も多くなっています。
次いで、洞不全症候群やペースメーカー電池消耗に対して行うペースメーカー移植術と交換術が多くなっています。
年間症例数が10症例未満の場合「-」で表示しています。
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 11 30.55 34.27 36.36 78.82
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) - - - - -
K7381 直腸異物除去術(経肛門)(内視鏡) - - - - -
脳神経内科では併存症などに対する手術が殆どです。
難病による嚥下機能低下や誤嚥性肺炎を繰り返す患者さんに対し、内視鏡による胃瘻造設術が行われています。施術は消化器内科の医師が行います。
その他、症例は多くありませんが併存症に対し消化器内科や外科による施術があります。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 193 0.98 6.59 0 39.39
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 156 1.05 6.24 0 45.56
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 85 1 6.31 0 37.65
K872-32 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術(その他) 18 1 1.94 0 40.06
K867-3 子宮頸部摘出術(腟部切断術を含む) 17 1.06 3.12 0 41.65
卵巣良性腫瘍やチョコレート嚢胞に対する腹腔鏡下手術が最も多くなっています。
次いで子宮筋腫や子宮腺筋腫症に対する腹腔鏡下の子宮全摘や筋腫核出術が多く、子宮鏡下手術も多くあります。
子宮頚部高度異形成に対して子宮頚部摘出もおこなっています。また、子宮外妊娠に対する緊急腹腔鏡下手術も施行しています。
女性優先病棟を設けており、安心して療養いただけるように努めています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 6 0.20
異なる 2 0.07
180010 敗血症 同一 25 0.82
異なる 7 0.23
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0.00
異なる 1 0.03
180040 手術・処置等の合併症 同一 7 0.23
異なる 1 0.03
◆定義
2020年4月から2021年3月までの退院症例を集計しています。
◆解説
 入院の契機となった傷病名と医療資源を最も投入した医療資源が同一か否かを集計しています。
 入院の契機となった傷病名と異なる場合でも入院時から罹患している場合が殆どです。
更新履歴
2021/09/29
令和2年度病院指標を公開しました。